2015年度廃止駅訪問シリーズ(その3)
下白滝駅(廃止)・旧白滝駅(廃止)
留辺蕊駅(無人化)
■2015年10月2日(金)
 石北本線で廃止予定の上白滝,下白滝,旧白滝と無人化予定の留辺蘂を訪問するべく,北海道へ入りました.

 北海道は前々日の水曜日から,台風から変わった異常発達した低気圧の影響下にあり,多くの航空便が運休していましたが,10月3日(金)の午後から天気は回復傾向との予報が出ており,JRも午後から運転再開予定となっていたため訪問を強行しました.

 飛行機は何事も無く定時運行で新千歳空港へ着陸.
 JRの駅で乗車券を買おうとしたところ,乗ろうと思っていたオホーツク7号は運休とのこと. 空港で待っていても仕方が無いので,とりあえず札幌へ向かうことにしました.

 札幌へ向かう車内で運行状況を確認したところ,石北本線は終日運休との表示が出ています.
 上白滝駅へ到達するためには,どうしても前日までに上川駅に到達しておく必要があります. なぜなら,上川より先を走る各駅停車は1日1本しか無く,上川始発のためです.
 札幌へ向かう車内で,ひたすら検索しました.
 その結果,札幌17:00発のスーパーカムイに乗ると,18:40旭川発の層雲峡行き路線バスに乗車でき,上川駅の近くまで到達できることがわかりました.
 上川駅までは,夜間のため接続バスが存在しないようですが,タクシーを呼んでも移動に差し障りの無い距離のようです.

 ひとまず安心して,札幌駅で接続列車を確認しようとしたところ,なんとスーパーカムイ運休
 完全に打つ手が無くなりました!!

 まずは,上川の旅館へキャンセルの電話.
 次に,札幌の宿を探します.
 観光案内所へ行ったところ,「国慶節需要で札幌市内の空室は無いと思いますよ」と,つれない案内. 自分で電話してチェックしてね!と,ホテル一覧の用紙を渡されました.
 観光案内所のサービスはこの時点できっぱりあきらめ,やはり頼りになるのはNetだ!と,宿泊サービスのサイトと格闘...
 どうにか,常識的な金額で当日キャンセルを探し出し今夜の宿泊先を確定しました.

 札幌での宿を確保したので,翌日の再計画です.
 上川始発列車に乗車できなくなったので,上白滝駅訪問は今回はあきらめ,下白滝,旧白滝,留辺蘂の訪問を行うことにしました.
 幸い,札幌からのオホーツク1号に乗車できれば,留辺蕊駅で当初計画のスケジュールに追いつけそうです.

 オホーツク1号の指定席券を入手し,いつものジンギスカンで英気を養いました.


 
 当日キャンセルを探し出して宿泊したホテル
 どうみても,ワンルームの改造です.
 部屋へは靴を脱いで上がりました.
 キッチン,洗濯機が付いていたので,確定でしょうか?


 
■2015年10月3日(土)
 当初の予定では,上川へ宿泊して
 上川→上白滝→白滝→遠軽→留辺蘂→遠軽→下白滝→旧白滝→旭川 へと,1日かけて移動のつもりでしたが,上川~留辺蘂を今回はあきらめました.
 札幌朝イチのオホーツク1号で留辺蘂へ移動します.
 しかし,北海道とはいえ特急で移動時間4時間超はけっこうキツイです.

 定刻11:38に留辺蘂到着
 無事,駅スタンプ入手!
 30分後の各駅停車で遠軽へ折り返します.
 列車は,ご同類を3名ほど乗せ,遠軽へ向かいました.

 遠軽駅では,30分の接続で白滝行きに乗り継ぎます.
 ...どうやら,乗ってきた列車のサボだけ交換して,遠軽発白滝行きになるようです.

 遠軽駅には,日本最東端の"立ち食い"そばが存在します.(駅そばとしては根室駅が最東端,以前は網走駅が最東端だったのですが,現在は営業していないようです))
 ここで,メニューには無い"スペシャル"を昼食代わりに食べました.
 客が少ないためか,汁がぬるかったのが残念です.

 遠軽13:28発4624D白滝行きに乗車. 下白滝駅で下車します. ここから,白滝発祥の地を経由して旧白滝まで4.6kmを歩きます.
 国道沿いですが,思ったより交通量が少ないです. 長距離の車は無料のバイパスへ流れて行っているためでしょうか?
 20分ほどで,白滝発祥の地に到着. さきほど乗ってきた各駅停車の折り返し4625Dを待ちます...とここで,20名の団体様ご到着.
 5人ほどが立てば一杯になってしまう展望台?が押し合い状態になってしまいました.

 どうにか撮影終了して,旧白滝へ. 気温は10℃前後ですが,上り坂を歩いているので,適度に気持ちよいです.
 周囲が開けて,牧草地,畑が見えてきたところで,旧白滝駅に到着.
 旭川行き4626Dまで2時間ほどあります.
 冷たい風が吹いていますが,駅舎?(=待合室)内は日だまりとなっていて快適でした.
 こんなこともあろうかと,遠軽駅で新聞を購入. 文庫本も持参していましたが,ひっきりなしに車で写真を取りに来る人がいます.
 まるきし休まる時間はありませんでした.
 札幌で仕事をリタイアして,旧白滝へ移住してきた人としばし歓談. 日が暮れてきて新聞読める状況では無くなってしまいました.

 16:30を過ぎた頃から,雨が降ってきてしまいました.
 列車は定刻通り16:53に到着.なんとびっくり3両編成です! 送り込み回送を兼ねているのでしょうか?
 乗客はワタシを入れて10名ほどでした.
 地元の方らしい数名の方は次の白滝で下車,乗車しているのはどう見てもご同類っぽい方々のみ.
 上白滝駅到着してびっくり! ホーム上がものすごく混雑しています.
 乗ってきた半数の方が下車!(白滝まで歩いて戻り,特急利用でしょうか?),新たに数名が乗車してきて乗客は7人となりました. 全員バックパッカーです.(笑)

 上白滝を出発したあたりから4626Dはどうも様子がおかしいです. エンジンをかなり回しているのですが,まったく速度が上がりません.
 奥白滝の手前で前に進まなくなってしまいました. エンジンは回っています.流体変速機周辺からは白煙が上がっています. どうやら車輪が空転しているようです. 列車は,ノッチが入っているにもかかわらずずるずると後退し始めました.
 30分ほど粘っていましたが,運転手は運行継続をあきらめたようです.「白滝駅まで戻って,運転を打ち切る」とアナウンスがありました.
 閉塞の都合でしょうか? 時速10kmほどでゆっくりと白滝駅まで後退. 3番線へ入ってすぐにオホーツク7号が2番線を通過していきました. 対向の特急に影響が出るため粘らずにあきらめたようです.

さて,1日1本しか無い各駅停車が運転打ち切りとなりました.
さらに1時間後に来る特急を臨時停車させて,我々を拾うのかと思いきや,遠軽からタクシーを呼び寄せているとのこと...
 けっきょく,タクシー2台に7名が分乗.旭川までタクシーで移動することになりました.
 渋滞も無く,各駅停車と到着時間があまり変わりなく,20:15に旭川駅到着.
 駅員が出迎えてくれましたが,乗車券のチェックすら無くそのまま解散となりました.
 料金は24,000円ほど,乗車賃が2,000円ほどを考えると,3倍以上の費用がかかったわけです.
 上れずに,引き返した列車をどう処置するのか,ものすごく気になっています.
 深夜にでも機関車牽引でサルベージするのでしょうか?


 オホーツク1号,留辺蕊駅に到着.
 乗る人はいませんでした. 降車は10名ほど...あっという間にお,自家用車?で消えていきました.


 最後尾は,500型でした. 早起きして自由席に座るべきでした.


 出札口. 土日も営業しているようです.


 引き戸で無く,ドア形状の改札口.
 行き先札がかかっているのが良いです.


 金華より東は,けっこう本数があります.


 
駅前にはタクシーが2台停まっていました. 特急からの乗客を拾えなかったので,
とても暇そうです.
駅前の商店脇には,"国鉄"485系?が停車中!


 
ホームは2面3線.特急は跨線橋を渡った2・3番線に停車するようですが
1番線は屋根こそありませんが,スロープになっていてアクセスしやすいです.


 
12:09発の遠軽行きキハ40単行に乗りました.


 
スタンプの通りであるなら,初夏に来ないといけないですね.




途中,金華で交換しました. やってきたのはDE15単行でした.
金華駅は11月チャレンジ予定です.



 
主要駅だけあって,重厚な作りです.


 
この後の行き先には商店も期待薄のため,非常食をKIOSKで入手.
名寄本線廃止後は単なるスイッチバック駅となってしまった遠軽駅です.


 
駅舎脇にある日本最東端の立ち食いそば
メニューには無い"スペシャル"を注文!
要は,全部入りです.



 
出発待ちをしていると,オホーツク3号到着.
キハ183,キハ40,キハ54三世代そろい踏みでした.
ホームは満杯です!


 
何度も下車したことがあるのに,目の前の瞰望岩には一度も行ったことがありません.



 
4624Dは定刻に遠軽を出発. 3つ先の下白滝まで33分かけて走ります.
上り坂で速度が出ないせいというのもありますが,各駅間が10分あるわけです.


  
下白滝は2面2線. 時間帯によっては運転停車による列車交換もあるようなので
廃駅後も信号所として存続する可能性が高いと考えています.
地元民以外で実質的に利用できるのは,上川からの下り列車と,
14時台の白滝行き,16時台の旭川行きの2本のみです.
どうやって到達したのか不明ですが,乗客が1名いました.


 
国鉄→JR転換前後して,多くの木造駅舎が緩急車の改造型に更新され味気なくなってしまいましたが
石北本線では割と昔の駅舎が残っています.
下白滝駅前には,子牛専門の酪農家と,廃墟があるだけで,利用者ほぼゼロも納得です.


 
子牛が牛一頭分のゲージに入れられ,これがずら~っと並んでいます.
この異様な風景は,Google Earthでも概要を見ることができます.




下白滝から距離にして1kmほど...
国道333号がバイパス道を横切ったところに,白滝発祥の地があります.
昼までが順光ですが,先ほど乗車した列車の折り返し4625Dを待ちました.



 
白滝発祥の地からさらに3.6km国道を歩き,15:20に旧白滝駅到着.
けっこう高度を稼ぎましたが,周囲は開けていて何軒かの家を見ることができます.
まったく利用者が無く廃止とのことですが,人口皆無では無いようです.
強い西風で,日本海側から石北峠を越えてやってくる雲がときどき弱い雨を降らせますがそこそこの好天が続いていました.


  
停車する列車は,さきほどの下白滝駅と同じです.
乗る列車は,1時間半後に来る4626D旭川行きです.


 
廃止になるとは思えないほど,駅名標はきれいです.塗り替えたばかりでしょうか?
駅舎内は,裸電球,碍子,裸電線...壁にスイッチがありましたが暗くなっても電灯は点きませんでした.


  
一時間半待つ間に,特急オホーツク,特別快速きたみが通過していきました.
すっかり暗くなりかけ,かなり雨が降ってきた頃,4626Dがやってきました.
なんだかんだで,新聞読み切れませんでした.







途中で,今回不発に終わった上白滝に停車.
ここから,この列車の難行の始まりです.




運転打ち切りが決まり,乗客の目的地を一人一人確認して回る運転手.
けっきょく全7名,みんな旭川まででした.



期せずして,白滝駅で下車.
運行の都合なのか,非常コックを開いての下車でした.




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