2015年度廃止駅訪問シリーズ(その1) 十三里駅 |
JR北海道と,マスコミより報道されておりますが,今年度JR北海道は相当数の駅の廃止,無人化を計画しているようです。 確定しているのは江差線の三セク化のみですが,冬場長期運休→そのまま廃止等もあり得るので,いまのうちから訪問をすませてしまおうと考え,第一弾として石北本線の廃止4駅+無人化1駅を計画しておりましたが,8月1日(土)未明の大雨で路盤流出が発生,長期運休が避けられなくなったため,まずは石勝線を訪問することとしました。 2015年8月7日(金) 翌日夕方に,都内で用事があるためかなり強行軍です。 会社を午後半休にし,空路新千歳へ移動,今日のうちに十三里駅と,鹿ノ谷駅をこなしてしまおうという作戦です。 十三里駅は1日あたり下り5本,上り7本の停車がありますが,利用者は0.5人/日,新千歳方面からの接続も悪く,利用できるのは実質4本です。 このため,南千歳より特急で新夕張まで移動し,新夕張から各駅停車で1駅戻るという作戦を立てました。 このルートだと,十三里で途中で追い抜いた各駅停車に乗ることができ,効率よく廻ることができます。 新千歳空港(16:03)→南千歳(16:06):快速エアポート161号 南千歳(16:16)→新夕張(16:53):特急スーパーとかち5号 新夕張(16:57)→十三里(17:01) 十三里(17:17)→鹿ノ谷(17:49) 鹿ノ谷(18:18)→追分(19:16) 羽田→新千歳のフライトは,新千歳着定刻15:30なので,25分以上遅れたら1日目のスケジュールが破綻します。 検索したところ,この1ヶ月で25分以上遅延したのは1回のみ。ただし,羽田を定刻前に出発した実績はゼロです。 ある種,賭なので十三里までの乗車券は事前に関東で購入しておくことにしました。 そこで,紙に新千歳空港→新夕張,新夕張→十三里,8/7(金)利用開始,乗車券のみ,各1枚と書き,「これお願いします」と窓口へ差し出しました。 マルスで乗車券を発券する場合は,駅番号か,駅名の"よみ"を入力する必要があります。 はたして,駅係員は「十三里」を読むことができるでしょうか? 答:駅係員は,「十三里」を読むことができませんでした。 何度か入力を試していたようですが,最終的にあきらめ「これなんて読むんですか?」と聞かれました。 ■新千歳空港→新夕張→十三里 フライトは10分遅れて新千歳空港到着。 接続したスーパーとかち5号は満席。1両しかない自由席は超満員です。 30分の乗車時間でしたが,指定席券購入しておいて良かったです。 新夕張でも,逆方向の列車に乗り継ぐことができ,無事「十三里」駅へ到着しました。 ■十三里駅 2面2線(交換可能),駅舎無し(待合いスペース有り),トイレ無し,自販機無し ホーム脇にある一件駅舎に見える建物は,JRの何らかの施設で中にはいることはできない。 跨線橋の階段取り付け部分にベンチが設置され,待合いスペースとなっているが,雨が中に入り込みベンチは利用できない状態だった。 駅前に,小野農園がありメロン,トウモロコシ等の直売をやっていて,夕張産メロンは激安らしいが,到着が17時過ぎだったため,店じまいをやっていて中にはいることができなかった。 ホームから道路へ抜ける通路には蜘蛛の巣が張られていて,いかに利用者が少ないか推測される。 駅前にはバス停があったが,時刻表は読み取れなかった。 乗降を含めて都合4回この駅に停車したが,私以外の客は無し ■十三里→鹿ノ谷 十三里では,待つ間もなく反対方向下り夕張行きが17:12に入線。この駅で貨物列車との交換を行います。 やってきたのは,キハ40 350番台日高本線専用列車です。 日高本線は,鵡川より先の復旧見込みが立たないため,石勝線や,室蘭本線で運用しているのでしょうか? 乗客は15名ほど。ボックス占有状態です。 貨物列車は5分ほど遅れましたが,途中駅の停車時間短縮等でほぼ提示に鹿ノ谷駅到着。 下車したのは,私を含めて2人でした。 ■鹿ノ谷駅 1面1線(過去2面2線だったようだ),駅舎有り,自販機有り。 有人だった頃の雰囲気が残る。駅設備を撤去した跡と思われる建物基礎が多数残っている。 駅前は,住宅がかなりあり,郵便局,生花店は営業中のようでした。 車窓からは,運動公園や,学校も見ることができるので,平日朝夕はそこそこ利用者があるように思えます。 ■鹿ノ谷→追分 鹿ノ谷から18:18発の追分行きに乗り,終点の追分で宿泊します。 先ほどの列車の折り返しで入ってきた18:18発は乗客がまったくいませんでした。 私一人だけを乗せた列車は,夕張川に沿って軽快に下っていきます。 途中,清水沢で1人だけ乗車してきましたが,その人も新夕張で下車。運転手が"まだ乗っているのか?"とちら見しますが,無言で乗車を続けます。 けっきょく,終点までは一人旅になってしまいました。 1時間ほどの乗車で,客はのべ2名,支払総額は1000円ちょい。燃料代すら出てないかもしれないですね。 ■追分 追分では,駅前のビジネスホテルへ宿泊。ここは,インターネットで予約受付していないせいか,こんな時期でも部屋が取れました。 真っ暗な町をうろつき,ようやく探し出した定食屋で食事を済ませ,本日の行動終了。 北海道らしい飲食をまだ何にもしていません! |
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十三里駅へ到着.キハ40の非冷房車です. 北海道とはいえ,この季節に冷房無しはけっこうキツイです. |
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駅名標.廃駅になった場合,駅番号は振り直しになるのでしょうか? それとも,欠番?...永久欠番! |
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この「十三里駅」の記載は,特急に乗っていてもかなり目立つので気になっていましたが,この建物駅舎では無いので内部に立ち入ることはできません. |
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駅前の小野農園. 今話題の,電気柵に囲まれています. 到着したときは店じまいの真っ最中! しかし,この看板「わ」と「ダドー」がものすごく気になります. |
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跨線橋の取り付け部分を区切って待合室にしていますが,密閉性がイマイチっぽくて,せっかくのベンチがぬれていて座ることができない状態でした. もっとも,座る客がいないのですが... |
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時刻表 けっこう停車本数がありますが,それでも利用者は0.5人/日とのこと. |
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ホームから道路への通路は,蜘蛛の巣が張っていて,予想外のトラップにはまってしまいました. 駅の両側はスノーシェードに囲まれています. 数億かけてスノーシェード作った方が,人力で保線するより安いそうです. 折り返しでやってきたのは,日高本線用キハ40-350でした. 長期不通のため,このようなところで運用中! 乗り換え時間が短かったため新横浜駅で事前に乗車券を調達しましたが, 窓口担当者が「十三里」を読むことができずにマルス操作悩んでました それを見ながら,ニヤニヤするワタシ. 鹿ノ谷に到着. 降車したもう一人は駅舎を通らずにどこかへ消えてしまいました. 駅舎はきれいに清掃が行き届いています. ベンチには座布団も... 列車の本数は,こちらの夕張支線の方が多くなっていました. 駅舎には立派な煙突が付いていましたが,建屋内にストーブは見当たらず,灯油タンクも朽ち果てていました. 折り返しの列車が到着. 車内の乗客はゼロ! 清水沢→新夕張で1名乗車してきましたがほぼ全区間客はワタシ一人でした. これで,ワタシが18切符でも使っていたら,全くの収益無し列車を走らせていたことになりますが, ちゃんと普通料金払いました! 駅前のホテルに宿泊. 窓を開けていたら,夜中中貨物列車の音がしていました. |
2015年8月8日(土) 今日の予定は,始発で夕張まで行き,鹿ノ谷を除く全駅を利用し,昼の便で東京へ戻る計画です。 昨日と違って綱渡りはないので,災害でも発生しない限りは鉄板です。 スケジュールは 追分(7:08)→夕張(8:17) 夕張(8:30)→沼ノ沢(8:50) 沼ノ沢(9:09)→清水沢(9:18) 清水沢→南清水沢:徒歩移動 南清水沢(9:55)→新夕張(10:05) 新夕張(10:30)→南千歳(11:01):スーパーとかち4号 南千歳→新千歳空港 です。 昨日,鹿ノ谷をクリアしているので,午前中のみの列車で効率よくまわることができます。 地方ローカル線にありがちですが,昼前後はものすごく列車本数が減ってしまうためです。 ■追分→夕張 5:30起床,6:50に追分発の石勝線始発列車に乗り込みました。 札幌方面からの接続列車は無く,がら空きだろうと思っていた車内ですが30名近くの乗車があります。そのほとんどが,バックパッカーです。 考えられるのは, (1)深夜便のフェリーで苫小牧へ到着し,そのまま室蘭本線の始発列車で来た青春18キップユーザ (2)急行はまなすで本州から苫小牧に到着し,そのまま室蘭本線の始発列車で来た北海道&東日本フリーキップ利用者 ...ってところでしょうか? 列車は,途中駅でもまったく乗降が無く新夕張へ到着。 ここで,半数近くが下車しました。1時間ほど後に来る特急列車に乗り継いで,帯広・釧路方面へ行くものと思われますが,まだ半数が残っています。 実は,夕張を単純往復しても,同じ列車に乗ることができるので,フリーキップユーザはそのまま夕張往復をするものと思われます。 実際,彼らのほとんどは夕張,鹿ノ谷,清水沢まで乗車し,折り返しの列車に乗って新夕張へ戻っていきました。 ■夕張駅 夕張駅へ定刻に到着。早朝のため観光施設はすべて閉まっていると思っていたところ,駅前の農協出張所がオープンしており,夕張メロンを販売しています。 関東で夕張メロンをまともに買うと5000円ちかくしますが,ここのは1玉1000円...格安だったので思わず2玉購入。 折り返しの列車にハンドキャリーで持ち込みました。 夕張駅 1面1線の折り返し駅 駅舎は観光案内所に併設,トイレ有り 駅前はホテルと屋台村があり,早朝以外は食事もできるようです。 ■夕張→沼ノ沢 例の,18キップユーザらしき人たちを乗せながら,折り返しの列車は軽快にとばし,20分ほどで沼ノ沢へ到着。 駅近くにはマルハニチロの冷食工場があります。 ■沼ノ沢駅 1面1線の無人駅,駅舎有り,トイレあり 無人駅だが,駅舎にはレストランおーやまが入居,待合室側にも出入り口がある。 早朝だったため,レストランのメニューは未確認。 ホームは,過去島式1面2線だったようだが,駅舎側の一部が埋め立てられている。 過去の名残は一部残っており,見ることができる。 ■沼ノ沢→清水沢 沼ノ沢から清水沢へは今まで謎だった2629Dに乗り込みます。 この列車,ダイヤグラムを書くと,どの列車にも接続せず,どこから運用されているのか謎の列車でした。 始発で追分から到着したときも,新夕張には列車は留置されていませんでした。 それなのに,2629Dは新夕張始発です。湧いたように出現したキハ40... 実は,2625Dとして千歳→追分で運用した後,2627Dとして追分→新夕張を回送し,ふたたび新夕張から客扱いをしていたのです。 こんなことなら,快速運転でもして客扱いした方がよっぽどサービス向上になると思うのですが... ■清水沢駅 1面1線,有人駅,駅舎有り,トイレ有り,駅スタンプ有り 駅前はまがりなりにも商店街がある。 駅構内には,ホームと駅舎の間に広大な留置線跡が広がる。出炭最盛期は相当数のセキが留置されていたものと思われます。 構内写真を撮影後,精算しようとしたところ,新千歳空港からICカードで乗車してきた人が前にいて,南清水沢に間に合うのかヒヤヒヤしました。(一応有人駅ですが,普通に考えればICカードは使えないよなぁ...) ■清水沢→南清水沢(徒歩) 清水沢駅から南清水沢駅へは待ち時間が30分強あったため,線路沿いに1.7km歩きました。 途中,撮影向きの鉄橋とかを眺めつつ,15分ほどで南清水沢駅到着。 委託駅と聞いていたので,駅スタンプを期待していたのですが,なぜか不在。窓口閉鎖中でした。 ■南清水沢駅 1面1線,有人(業務委託)駅,トイレ有り 駅前には生協,セイコーマートなどがある。 生協では農協の露店販売準備中だったので,ここでもメロンが買えるかもしれない。 ■南清水沢→東京 南清水沢から,新夕張行きの列車に乗り込み,特急へ乗り換え帰京しました。 |
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朝イチの追分駅. 7:00前後に各方面への列車が一斉に出発しますがやってくる乗客はまばらです. |
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駅員の業務開始は7:45から...日祝は無人です. |
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トラブル防止のため,自動券売機も閉鎖中. 車内精算でも誰も困りません. |
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岩見沢行き,糸井行き,千歳行き,夕張行きと全方面へ一斉に発車. |
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車内精算用に整理券をGet |
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1時間強で終点の夕張に到着. バックパッカーがたくさん乗っていました. |
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駅舎は観光案内所を兼ねているためとてもきれいですが,営業時間前でした. |
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石炭時代の面影は全くなく,駅前は元パナ系のリゾートホテルです. そんな中でも,駅前の農協直売場は8:00から営業中 折り返しの13分間の間に2玉買ってきました. 折り返しに乗って,新夕張の一つ手前,沼ノ沢へ. ここは駅員室がレストランになっています. まぁ,早朝なのでやってませんでしたが... 待合室からも直接レストランへ出入りできます. 時計がいい味を出していましたが,さすがにこの時計は5分ほど進んでいました. 日本の鉄道駅の時計らしくないですね! ホームと駅舎の間に交換駅時代の名残が残っていました. 10月1日無人化予定の清水沢駅 駅舎見ているだけで,冬の寒さが思い浮かばれます 往時の拠点駅だっただけあって,作りが大きいです. 駅舎とホームとの間の空間は,三菱炭鉱大夕張線があったころ,セキを留置していた場所です. 無人化に伴い,駅スタンプも消滅する可能性があります. 折り返しまで40分ほど時間があったので,南清水沢駅まで1.7Kmをメロンを持ったまま歩きました. ここは,業務委託駅ですが土曜日は取り扱い休止のようです. ここは,無人化の話出てなかったと思います. 新夕張駅で,乗り越し精算しました. 新夕張では,メロン入手済みだったので駅前のメロードには寄らず, 特急に乗って新千歳空港へ向かいました. なにしろ,各駅停車の利用がものすごく不便です. 人乗せないで回送しちゃったりとか... 昼から余市ハイボール飲みながら,スパカツ QRコードタッチ口よくできています. |