キューバで電車を運転してみた
■7.電車(ハーシー線)に乗る
 5月1日(月)
 メーデーです
 主要な観光地は閉鎖されている可能性があるため,今日はハーシー線と,予約が取れたキャバレートロピカーナへ行くことにしていました.

 11:22のハーシー線に乗るためには,11:00頃のフェリーに乗れば良いわけなので,宿を10:30頃に出発.
 オビスポ通りを歩いていたところ...タオルを忘れていたことに気づき,「タオルが無いと汗だくになるからかなりキツい」と考えホテルへとって返しました.
 「このままでは,電車に間に合わない!」
 本来なら歩いて行く予定だったフェリー乗り場まで,CoCoタクシーを捕まえ,急行しました.
 フェリーに乗ったのは11:20.乗船時間は5分ちょっとのため,完全にアウトのタイミングなのですが...,昨日と同様,きっと電車は定刻には出発しない...ことを祈って,カサ・ブランカへ渡ります.
 ...はたして...電車は出発していませんでした!
 電車を指さして,乗るぞ...乗るぞと...
 はたして,電車は待っていてくれました.

 無事,乗車.
 昨日と同じ,定刻10分遅れで出発.
 車内は70%ほどの乗車率です.
 「Uno Hershey」(うの えるしぇい)と言い,車内で2CUCで乗車券購入.
 さっそく,撮影タイムの始まりです.
 まずは,運転席へ...写真を撮って良いかと確認すると,welcome!
 運転手の写真を撮って,記念に差し上げたところ...我も我もと,乗務員が出てくる出てくる...
 単行電車なのに,乗員が5人もいます.
 この過剰とも思われる乗員体制ですが,彼らにはきちんと役割があることがあとでわかりました.

 このハーシー線ですが,電車は3往復/日しかないのですが,なんと,この線路がでろでろ状態の路線を貨物(タンク)が走っています.
 交換設備などはないので,単行で走っている電車が引き込み線へギシギシいいながら入り,貨物をやり過ごすのです
 過剰人員体制は,この際のポイント切り替えや,安全確認のためにいるのでした.
 実際のところ,電車は,なんでこんな駅でもない藪の中に入り込み動かないんだろう?
 ...と思ったら,十数分たってからタンクがやってきたのには驚きました.
 こんな路線でも,主要幹線なんだ!...と

 電車は,ほぼ定刻にHershey駅へ到着
 交換する列車はすでに入っています.
 ホームには,よく冷えたキューバコーラとビール,ハンバーガー(パテのみをパンで挟んだいかにも...な感じの)を売っているおっちゃんが居ます.
 暑いので,ビール・コーラは飛ぶように売れていきます.
 ワタシも買いました.

 車掌は,帰りの切符はここで買え...と建物まで案内してくれました.
 ホーム入り口から反対側,奥まったところにある小さな建物です.
 ここで,カサ・ブランカまでの乗車券を再度2CUCで購入しました.

 さて,電車は当然交換用に止まっている反対側の2両編成になるものと思っていましたが,往路に乗ってきた乗務員が元の電車を指さし,こっちに乗れ!と言っているようです
 どうやら,交換駅ですが,お互いの電車は元来た方向に戻っていくようです.
 反対側にいた電車は,しばらく経つとそのままマタンサス方面へ戻っていきました
 ...が,こちらの電車はまったく出発する気配がありません.
 20分経った頃,ホームで物売りをしていたおっちゃんも,店をたたんで帰っていきました
 ...それでも,出発する気配がありません.
 さらに待っていると,踏切が閉まる音がして,枝線から電車がやってきました.
 どうやら,この電車の到着を待っていたようです.
 乗り継ぎ客を乗せ,ほぼ満席になった電車は,ようやくカサ・ブランカ方面へ動き出しました

 往路と違って,電車は快適に動いていたのですが,どうやら雲行きが怪しいです.
 真っ暗になり,涼しい風が吹いてきたと思ったら,大粒の雨が降り出しました.
 みんな,あわてて窓を閉めますが,そこは超高齢の電車です.
 半分ぐらいは窓が閉まりません.
 座席に座っていた客は,雨を避けるために,通路へ逃げます.
 幸い,ワタシの座っていた席は窓が閉まりました.
 それでも,かなりの雨漏りがあります.
 まぁ,雨さえやめばカリブだし,あっという間に乾くだろうと思い,我慢しました.

 ハーシー線は,出発が30分遅れた割に,ほぼ定刻でカサ・ブランカ到着.
 昨日と同様に,フェリーへ乗り込み,ホテルへ戻りました.


はたして,電車は出発していませんでした.
出発間際に飛び乗りました.
車内のイスは後から取り付けられたもののようです
電球もすべて無くなっていました



カサ・ブランカを出発します
こころよく写真を撮らさせてもらえました

昨日見送った踏切を越えて電車は出発します.


隣の駅までは,工場と人家の間を縫うように走ります.
線路の間は,小川のようになっており,まったく整備されていないように思われました.

 
車内改札が始まりました.


ドア開閉専門の職員も乗車しています


途中かr多乗車してきて,私の前に座った方々.

 
10分も走り,郊外へ抜けると一面このような景色で
ときおり,牛馬,羊等が線路を横断していきます.


運転手に突然呼ばれたかと思ったら,写真のお礼にか,運転させてもらうことができました.
もちろん,営業中の電車は初体験です.

 
何も無いところで,突然スイッチバックし停車したかと思ったら
貨物車との交換でした
乗車したけど何もしていなかったなぞの職員は,ポイント切り替え担当だったようです.
しかし,閉塞管理をどのように行っているかは,なぞのままです.

 
チョコレートのハーシーの工場跡が見えてきたら,ハーシー駅です.
手前に見える小さな建物が駅事務員室です.
すべてのダイヤでここで列車交換を行います.
終点まで行くと,往復10時間の大旅行になってしまうので,ここで折り返してハバナへ戻ります.

 
ハーシー駅は起点のカサ・ブランカ駅よりりっぱで,きちんと屋根もあり,待合室もあります.
駅前には,謎の電気機関車が留置されていました.

 
ホームでは,近所のおっさんがキューバコーラや,ビール,ハンバーガーを売っていました
ワタシも,コーラを購入.ちゃんと冷えていました.

 
駅前を通りかかったスクールバス.
なぜか,アメリカのスクールバスと同一仕様.
車内改札した乗車券は手書きでしたが,ハーシー駅で購入した乗車券は,パンチしたものでした.

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